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第五回スクウェア・エニックス 戦・漫画大賞

五回目を迎えた戦・漫画賞。新しい投稿者も増え、盛り上がりを見せたのですが、残念ながら奨励賞4本選出にとどまりました。
投稿作から伝わる歴史の造詣の深さに驚きを隠せませんが、そこを重視するあまり、キャラクターのオリジナリティが薄くなっている作品が多く見受けられました。既存のキャラクターにとどまらない、自分だけにしか描けない歴史のキャラクターを考えてみてください。
これから、戦・漫画賞に投稿する方は、「みんなの呉」を執筆中の宮条カルナ先生のアドバイスを参考に挑戦してください。

長編大河部門「海賊将―九鬼嘉隆―」 新はちお(26)

ストーリー

時は戦国時代。伊勢の海を守る海賊・九鬼嘉隆は、海を荒さない事を約束した上で、織田信長に協力していた。だが、織田水軍を率いた、親友の滝川一益が伊勢の海へ侵攻を開始してしまう────。

寸評

戦国時代に活躍した有名な海賊をケレン味たっぷりに描いた意欲作。だが、歴史的背景に引きずられているせいか、キャラの個性が活かしきれていない。納得のいくところまでキャラ作りをしよう。次回に期待。

【特別審査員・宮条カルナ先生が斬る!】

画面の中からは躍動感が伝わってきます。主人公からは強い信念が感じ取れて迫力もあるので、 それに対する兄の存在感をもっと際立たせてて欲しかったです。導入の強さを山場で発揮できたら良いですね。

長編大河部門「戦国キューブ」 八ツ墓村

ストーリー

天正13年。戦では天下は取れないと悟った伊達政宗は、なぜか自慢のカジュアルファッションで天下を取ることを決意。最初に訪れたのは江戸城。そこで政宗は、徳川家光にスパッツをやるから城をよこせと迫るが……。

寸評

ハイテンションな伊達政宗とその家臣たちとのやり取りが非常に面白く、この作品の一番の魅力となっている。一方、ネタは平凡で練り込み不足。思いついたアイデアをどう展開していくかを時間をかけてしっかり考えよう。

【特別審査員・宮条カルナ先生が斬る!】

キャラの表現が豊かで、また言葉遊びにも長けている様子。ハイスピードな掛け合いはキレがあって、爽快でした。 このセンスを活かし、軸の据え方や画面構成等、より磨きをかけ更なる進化を遂げて欲しいです。

三国志アンソロジー部門「天下一丁目商店街」 明加(26)

ストーリー

英雄たちが武勇と味を競う群雄割拠の街、天下一丁目商店街。彼らが目指すものはただ一つ、天下一品の称号だった。皇帝から直々に与えられる名誉あるその称号が今、ある者の手によって不正に奪われようとしていた…。

寸評

三国志の英雄たちがかわいいキャラクターで描かれ、料理で争うというアイデアは面白い。ただ、登場キャラクターが多く、読んでいて話がバラけてしまっている印象を受ける。中心になる人物をしっかり定めた物語作りを。

【特別審査員・宮条カルナ先生が斬る!】

独特の表現力があり、ちびキャラが動き回るさまは愛らしいの一言に尽きます。各所に散りばめられた三国ネタにも心くすぐられる反面、横に広がりすぎた感も。軸を絞り、敢えて情報を切り捨てる勇気を。

長編大河部門「ゆずりは」 米本奈央(21)

ストーリー

時は幕末。場所は長州・萩。若者たちの精神的支柱だった松下村塾塾長・吉田松陰が亡くなった後の世界。長州の若者たちは時代に翻弄されながらも己の進む道を模索して今日ももがいていた。そんな一長州藩士・山本誠一郎のお話…。

寸評

キャラクターの心情をよく描き、また話も読ませる内容になっているところは好評価。反面、マイナーな史実をただ追いかけているだけの内容なので、今後多くの読者に対して喜んでもらえる姿勢を望む。絵はまだ修練が必要。

【特別審査員・宮条カルナ先生が斬る!】

雰囲気もあり、テンポよく読み進められる所は好印象です。が、残念ながら時代背景が伝わらないと、読み手が置いてけぼりになってしまいます。もっと読者の目線を意識しつつ、自身の世界観を大胆に押し出してみては。

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