もともとゲームが大好きだったので、一言でいえば「ゲーム産業で働くための勉強」をしていました。と言うとプログラミングなどの技術面を想像される方も多いと思いますが、私の勉強は、主にビジネス面です。ゲームのことを知るためにプレイすることはもちろんですが、販売や会社経営の勉強のために、大学では経営学を専攻しました。また、ゲームソフトの小売店やアミューズメント施設でアルバイトをし、実際の現場での考え方も勉強させていただきました。
二つきっかけがあります。まず一つは、小学生のころから大のゲーム好きで、スクエニを始めとしたコンテンツの魅力にひかれていたこと。もう一つは、当時ゲーム関連の新卒採用で経営に携われる可能性のある募集をしていたのが当社だけだったことがあります。ゲーム関連会社はいずれも開発もしくは営業職が主でした。一方、「経営に携わる職種」で他産業の選考もいくつか受けましたが、いずれもゲーム関連の事業へは進出予定はありませんでした。当社だけがゲーム関連である中で職種に関して比較的寛容だった印象があります。職種について、はっきりと募集要項に記載はなかったものの、面接での確認を通してきっとチャンスがあるという感触を得て、ここしかないという気持ちを強くしました。
経営判断に関わる会議体の資料整理と準備が私の主な仕事です。たくさんのプロジェクト・案件があるなかで、それらの投資状況や進捗を整理し、いかに「一目で分かるよう」な資料として仕上げるかが日々の挑戦となります。多忙な経営陣ですから、会議の時間は意思決定に集中するために、資料は分かりやすく、且つ正確でなくてはいけません。資料中に分からない部分があればその質疑応答で貴重な時間が失われてしまいます。とはいえ、簡潔化することによって事実を不正確に記述しては誤った判断を導いてしまいますので、いかに事実に即して分かりやすく整理するかの技量が大きく問われます。今は、上司の指導のもとそのテクニックを学ばせていただいています。
一方、社内の情報だけでなく、日々急速に変化する市場に追いつくため、常に市場分析も行っています。これは売上本数や宣伝イベントを追うことはもちろんですが、最も重要なのは実際にゲームをプレイすることです。これによって、競合他社が取っている戦略、そしてお客様が求めている価値を分析します。現状を継続して捉えていくことで将来の予測に役立て、当社が適切な投資配分を行っているかを考える材料とします。
また、会社内外の情報を合わせ、当社として取るべき戦略や方針が判断されたとき、それを全社的に伝えることもあります。そのための調査・資料作成にも参加する機会がありました。全社向けの資料と経営判断用の資料とでは、対象が異なります。対象が異なれば前提条件も変わってくるので、また別の方法で「一目で分かる」ように工夫しなければなりませんでした。
全て相手となる方がいることが前提なので、相手の立場に立つということはとても重要です。いかに相手の立場を想定できるかは日々考えるべきことであり、挑戦です。個人的な話ですが、これは上司からよく言われるので、私は特にこの感覚を磨く必要があるのだと感じます(笑)。
その意味では、上司が個人の強みと弱みをきちんと把握し、強いところは活かし、弱いところはしっかりと指摘してくれるので、挑戦の度にしっかりと成長のできる環境だと思います。
学生の頃、(どのゲームとは言いませんが)40万円使ったアーケードゲームがあり、よくもそんなにプレイしたものだと思いましたが、それをきっかけに一つの夢を持つようになりました。それは、「自分が老後になっても楽しめる、未来永劫続くゲームコンテンツの実現」です。これには困難が二つあります。一つは、飽きられないゲームプレイの創造。もう一つは、未来永劫ゲームを維持するための継続的な収益を得ること。飽きられないゲームプレイというのは、運営が伴わない限り不可能だと思っています。つまり、運営者から何か刺激を与えない限り、ゲームに飽きが来てしまう。ただ、運営が伴えば当然費用が発生し、二つ目の継続的な収益が必要になる。今ゲーム産業が直面している問題はこの継続的な収益をいかに得ていくか、という部分もあり、答えが得られるかは夢の実現に大きくかかわる大切な課題です。

今、ゲーム産業は大きな変化の中にあります。新しいことが今まで以上に求められ、様々な分野の知識・能力が必要な時代です。それこそプログラミングやビジネスノウハウだけでなく、歴史学や心理学に至るあらゆる分野で専門性が必要になってきます。きっと、皆さんがこれまで培ってき知識が役に立つはずです。それをどう活かしていくかは皆さん次第だと思いますが、皆さんが実際にゲームをプレイして、「自分の知識や強みが活きるのではないか」という閃きと確信があれば、ぜひ門を叩いてほしいと思います。









