母国イギリスの大学でコンピュータサイエンスを学んでいたとき、同じサークルに日本人がいました。その人と仲良くなっていくうちに、「日本って不思議な国だなぁ」と興味を持ったんです。そこで、夏休みにワーキングホリデーの制度を使って日本に来て、3ヵ月を過ごしました。
その滞在で日本人の優しさに触れ、また日本の文化に関心を持つようになって、ここに住みたい、日本で就職したいと思い、日英交流プログラムを活用して、大学卒業後に再度来日しました。
日本といえば、やはりゲーム業界では世界有数の先進国ですから、自分がこれまで学んだことは日本だったらゲームが最も活かせるのではないかと考えていました。
その中で、スクウェア・エニックスを選んだのは、やはり有名なファイナルファンタジーシリーズの会社であったということと、日英交流プログラムを通じた半年間のインターンシップの中で、会社の雰囲気や業務内容等肌に合うものを感じたからです。
研究開発部は社内でも外国籍のスタッフが多い部署です。入社当時よりも外国籍のスタッフは徐々に増えていますし、これからも増えていくと思います。研究に打ち込むことができる人であれば、スクウェア・エニックスで働くには、年齢・性別・国籍は関係ありませんから。
もちろん言語の壁が生じることがありますが、前向きにコミュニケーションをとりながら周囲と共に仕事をしていく姿勢と仕事の成果でカバーしていけば、それほど大きな問題ではありません。ただ、もちろん全員がバイリンガルで意思疎通がスムーズになることが最終的な目標です。
ちなみに研究開発部には7人の外国人が在籍しています。アメリカ、シンガポール、イタリア、ドイツ、ギリシャ、そして自分を含めたイギリス国籍のスタッフ等、国籍はさまざまです。国際的な学会に参加すると、もう本当にさまざまな国の人々が出席していますから、働くうえで国籍はまったく関係ないですね。
研究開発部の目的はいくつかあります。 技術の研究及び他の研究所等と連携しての情報交換による、会社全体の技術レベルの向上を計ること。その他に世界レベルで認められる優秀な研究者の集団となり、私たちの研究が国際学会で認められることで、会社のブランド価値の向上に貢献することにあります。
そのために研究だけではなく、国際学会に参加するための海外出張もあります。他の会社や研究者の活動に触れる機会がありますから、とても刺激があります。
成長という点で言うと、技術的なスキルはもちろん、それ以上に、判断力などのビジネスセンスが磨かれていると感じています。大学を卒業して社会人として初めての職場でしたから、そこで質の高いビジネスセンスを養えることは、本当に幸運だと思っています。例えば、海外の大手ゲーム会社の社長と会って議論する機会もあります。礼儀や立場に応じた相手とのコミュニケーションの取り方等、やはりビジネスセンスがないと困りますからね。
『ファイナルファンタジーXII』のラバナスタという町を改善するプロジェクトを発表しました。欧米のミドルウェアを多数導入して、半年間僕一人でどこまで改善できるかという実験プロジェクトです。
日本国内であまり使われていない外国のミドルウェアを知ってもらうこと。外国のミドルウェアを使うと、実現できるソリューション等可能性を知ってもらう、もしくは使ってもらいたいと考えて発表しました。
外国のミドルウェアは、サポートの言語の問題や、さまざまな問題があるので、敬遠される方も中にはいるのですが、食わず嫌いで使わないというのでは、あまりにももったいないのですよ。上手に利用すれば、高度な技術レベルのものを効率的に制作することができるのです。積極的に導入して、社内外問わず技術レベルの向上に活用してもらいたいと思います。
いちばん興味があるのは物理シミュレーションです。いまのゲームでは、キャラクターは歩いているように見せているだけで、本当に歩いているとは言えない。でも物理のうえで本当に歩けるようにならないかと、私は研究しています。
実際の人間は自然に歩くことができますが、コンピュータはできていない。でもこの研究が成功したら、ゲーム業界に大きなインパクトを与えることができると思っています。完成したらもっとブラッシュアップして、製品化できるクオリティーまで持っていくことができるよう頑張りたいですね。
他の会社にも研究開発部があると思いますが、開発者が「いまこういう技術が欲しい」といった場合に、研究開発部がそのゲームに合わせて作っているケースが多いと思います。
でもいまの我々の研究開発部はそうではなくて、3年後5年後に向けて新しい技術を開拓しています。純粋な研究が好きなら、スクウェア・エニックスの研究開発部はぴったりです。まだ世界中の誰もやっていないことを研究して、世界に発信して、スクウェア・エニックスという企業のブランド価値を上げることに貢献したいと思います。
どんどん新しいテーマを持って研究できるので、とても刺激的ですよ。ゲーム業界では、我々のような研究開発部は他にあまりないと思います。

会社に認められさえすれば、自分の興味がある研究ができますから、まず研究が好きだという人は向いていると思います。様々な技術を使う機会がありますし、学会に参加して新しいアルゴリズムを発見できたりしますので、技術に関することなら何でも好きだという人は、研究開発部が向いていると思います。
また私は会社が国際化し、ダイバーシティが素晴らしいことだと思っていますので、同じ意見をもっている学生がいれば、是非一緒に働きたいですね。国籍や年齢に関係なく、世界中の人といっしょに協力して働きたいと考えている方は、是非チャレンジしてください!











