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開発者の声
Vol.1 Special Interview/Designer
03 石井 晴也/テクスチャデザイナー
全部うまくいって初めていいものができる

●テクスチャデザイナーという仕事について教えてください。

3Dモデルは最初、真っ白なんですけど、テクスチャ(デザイナー)はそれに質感とか色とかをつけていくという仕事です。実際のゲーム中に出てくるキャラクターとか、背景や小物とかに絵をつけていきます。

●プロジェクトがスタートしてから、どの辺から本作業ですか。

テクスチャの作業は、プロジェクトが始まって最初にアートの人がデザインを起こして、モデラーの人がポリゴンモデルを作ってからなので、最初のころはあまりやることはないんです。ゲームの仕様や制限もあまり決まっていなかったりするので、その間は一応テストモデルという感じで作って、それを使ってみんなで研修ですね。そのゲームの世界観、どういうふうに塗るかをみんなで統一していったり、実作業の感じをつかんだり。そこからだんだん本作業に入っていきます。

●テクスチャというのはどうやって作られるんですか。描かれるんですか、それとも写真を?

描きますね。

●じゃあ、「絵」なんですね。

絵です。写真を使うというのは、僕の周りではほとんど見ないです。会社によっては使っている会社もありますよね。

●例えば服の柄なんかを作るテキスタイルデザイナーみたいな仕事は?

基本的にはないですね。デザイナーの人がデザインして、それに沿って描くというのがメインですけど、中にはテクスチャ上で表現できない無理のあるデザインの場合はアレンジが必要になります。テクスチャはサイズが決まっているので、この解像度でこの模様は無理だとかいったら、うまくいくようアレンジをする場合もあるので、そういうときは自分でカッコいいように工夫しますね。

●写真を加工する手法を採らないのはどういう理由で?

ほとんどの物は実在しないような想像上の物ですし、写真に撮れるものと撮れないもので差が出てしまう問題もありますね。それとゲームのテクスチャってそんなに解像度がないんですよ。写真を撮って縮小をしても、結局つぶれちゃったり、逆にノイズになっちゃったりして。だったら、その解像度の中でその質感を表すディテールを描いちゃったほうがわかりやすいし、きれいだし、いいかなと。そのときに特徴をとらえていないとうまく質感が出せないので難しいですけどね。

●プロジェクトにデザイナーという立場で参加されて、楽しかった点を。

プロジェクトがでかいとそれなりに雑誌やテレビにもたくさん取り上げてくれたりして、ゲームで出る前にそういうところに画面発表とかしますよね。そういうのに自分が作ったのが出るのを見ると、ちょっとドキドキしますけど、楽しいのは楽しいかもしれませんね。

●反対に辛いなというのは?

本当に辛いのはボツですね(笑)。作ったのにイベントで使わなくなったとか。まあ、それはそれでおもしろいというか、もう笑っちゃうんですけどね。あとは、ボツるまで行かなくても、力を入れた割には出番が少ないみたいなこととか、ちっちゃーく映っているとか、そういうのは寂しいですよね。

●いつも終わった後というのは、どういう思いですか。

毎回毎回どこかにやり切れていないところがあるから、「ま、いっか、ドンマイ、ドンマイ」というのと「バンザーイ」というのと、「ドンマイ、バンザイ」で。何かミスったとしても、そういうのはすぐに忘れることにしているから、結局はうれしいんですけど。「もう、やったー! 」と。休みがありますから、何度でも二度寝ができるな、みたいな。

●仕事していてどの時点で自分でOKを出すんですか。

大抵は時間ですね。締め切り。やはりキリがないですからね。

●テクスチャデザイナーという仕事で一番大事な点は?

やはり協調性というのはすごく要るかな。世界観を統一するという意味で。絵の統一感がとれませんから。あとは1人で黙々とブースにこもって作業することが多いんです。だから、かなり集中力が要ると思います。

●ゲームという人を感動させる仕事をしていることについては?

正直、開発しているときはそんなに感動させるものを作っている実感はないです。でも、どうなんだろう。終わった後とか、知人から感想をもらって嬉しかったりとかしますよね。感動させるというのは難しいですよね。どこも手が抜けない、みたいなところがあると思うんです。シナリオとかグラフィックとかあるけど、シナリオがよくても絵がしょぼいと言われてしまうこともあるし、どこも手を抜けないので、全部うまくいって初めていいものができるのかなと。

●普段、仕事に生かすという意味で勉強は?

本屋に行くことがあると、映画の資料本だとかそういうのに目が行きますね。

●これからやってみたいこと、目標は?

ここまでテクスチャをやって積み重ねてきたから、さらにそれを伸ばす方向でいきたいですね。スピードアップを目指したり。いずれはどんどんスキルアップして、世界観とかを一緒になって考えられるようになれば楽しそうかなとは思います。ものすごく難しいですけれども。

●他のプロジェクトのでき上がりとか、気になりますか。

それはすごく気になりますね。FF8をやってたときかな、そのときに動いているほかのラインを見て、すごいなとショックを受けたこともあります。クロノ・クロスとベイグラントストーリー、その2つはすごいビビりましたね。

●ベイグラントと、参加中のFF12は松野泰己プロデューサーのチームですね。

そうですね。だから結構、入りたいなという気持ちがあって来たんですけど、やっぱりすごかったですね、こだわりが。

●FF12は、またものすごくハードルが高いような気がします。

FF12には僕も本当にびっくりですね。でもそこが楽しくもあり。やはり次の段階というか、毎回同じレベルのものを作っていたら、作っているほうも飽きちゃいますから。だから(高いレベルへのチャレンジは)すごいリフレッシュにもなるし、勉強にもなるし。

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