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開発者の声
Vol.1 Special Interview/Designer
06 飯間 忠親/背景モデルデザイナー
ビッグプロジェクトが自信につながる

●エフェクトデザイナーという仕事について教えてください。

ゲーム全体の演出を担当しています。バトル中だったら魔法とか攻撃のヒットマーク、あと変身シーンとか、そういう現実世界で存在しないものを視覚化する仕事ですね。あとはマップの中だったら、マップをよりリアルに見せるための雨とか風・・・松明だったり、そういう自然現象・気象現象。あとはイベント中だったらそのイベントを盛り上げるための特殊な効果、演出みたいなもの。そういうのを全般的にやっています。

●バイトから契約社員になって正社員に。

そうですね、はい。

●バイトをやられたきっかけは。

予備校に行っていたんですけど、大学に落ちちゃったんですね。で、どうしようかというときに、仕事を探すから、とりあえず1カ月か2カ月探すから待ってと親に言って。そのときたまたまスクウェア(当時)の募集があったんですね。で、とりあえず受けてみようと、そのときにがむしゃらに描いて受かったと。そういう経過ですね。

●美術系の大学ですか。

芸大を目指していたんですけど、ちょっとだめだったもので。

●高校もしくは大学に入るまではどういう勉強を?

美術の専門の高校とかじゃなくて、普通科だったんですね。その後、デザインの仕事がやりたかったんですが、地元にデザインの専門学校とか予備校がなかったので、上京してきて。結局、4浪しちゃったんですけど、ずっと芸大一本で受けていて。最終的に、もうこれ以上はやっぱりだめだということになって、そこで、大学に落ちたからどうしようか、じゃあ、働かないと、と。田舎に帰っても、デザインの仕事は少なかったと思うので、東京に少し残って親に猶予を与えてもらって、その中で作品を何点か出して、スクウェア(当時)に応募したら受かったと。そういう感じですね。

●その頃どういう目標があったんですか。

とりあえず大学を出て、デザイン事務所か何かに入って―企業かもわからないですけど、そういうところでデザインの仕事をしたいと思っていましたね。

●どんなデザインを?

プロダクトもやりたかったし、インテリアとか広告・グラフィックデザイン、特にこれといって絞ってはいなかったんですけど、全般的にやってみたいなというのがありましたね。

●同じデザインという仕事でも、今の仕事は広告とは違う?

でも、売るという仕事でもエフェクトの表現力といった部分では、例えばビールのCM、やはりおいしそうに演出して広告しているビールが飲みたくなるじゃないですか。ゲームでいえば、このゲームをやりたいと思わせるコマーシャル的要素も、エフェクトが担ってる部分がおおきいと思うんですよね。

●エフェクトというのは演出ですものね。

例えば戦闘中、攻撃したらダメージ数値が出るわけで、「アルティマの魔法を唱えた!」というテキストだけが流れて600・450・650・・・・・ダメージを受ける、それだけだとやはりやっていてつまんねえと思うんですけど、そこで派手な魔法がボンと出たりとか、カッコよく変身したりとかしたら、「ウォーッ!」となるとは思うんですね。

●応募の時、スクウェア(当時)という会社は知っていましたか。

知っていました、知っていました! もう小さいころからやっていたので。

●最初に関わったタイトルは?

最初にかかわったのは、チョコボレーシングというレースゲームです。そのときは、マップのモデリングのデザイナーですね。その後、時間がしばらくあいたんですけど、FF10のエフェクトとしてチームに参加しました。

●契約社員にと声がかかったのは、バイトで入ってからどれくらいで?

僕の場合は、バイトのときにマップのモデリングからエフェクトに変わったこともあって、結構期間が長かったんです。バイトはどれぐらいだろう……。3年ぐらいやっていたと思うんですね。そのときにはエフェクトというものの面白さがわかっていたので、このままこの職種を続けていきたいなと思ってましたから即答で「はい」と。

●飯間さんのように、バイトから契約社員にというケースはけっこうあるんですよね?「ホント?」と思っている人も多いと思うんですが。

でも実際に僕、そうですからね(笑)。やはり上司とか周りの人たちが、僕にしか持っていないような個性の強いものであるとか、仕事のスピードであったりとか、そういう全体的なものを見てくれたんだと思います。絵がうまくても、会社をサボりがちであったり、出社態度が悪かったり、そうなってくると……。ゲームは1人ではなくチーム全体で作るものなので、そういうところが根幹にかかわってきていると思うんですけどね。

●社会経験は、スクウェア・エニックス(以下スクエニ)一本ですね。

そうですね。高校のとき小さいバイトはしていましたけど、バイトや契約社員で飯を食っていくというのは、スクエニが最初ですね。

●スクエニのクリエイターとして嬉しいことは?

今だと、もう世界各国になっていると思うんですけど、日本〜世界各国の大人から子ども、男女にかかわらず、僕たち(スクエニ)が作ったゲームを楽しんでくれている。そういうことがやっぱりうれしいですね。

●プロジェクトに参画して楽しかったことや辛かったことは?

自分の作った作品がゲームの一部となってみんなに楽しんでもらえている。そういうのがやっぱりうれしいですね。辛かったことは、ほかでも何でもそうだと思うんですけど、どうしてもゲームというのは制作スケジュールが決まってますから・・。その中でおさめないといけないので、どうしても時間上の都合で削られたものとか出てくるんですね。作っている側からしたら、そういうのはちょっと辛いですね。あと、ヘルプとして参加していた仕事ですけど、途中でプロジェクト自体が中断してなくなっちゃったときは辛かったですね。

●何百万人の人向けの大作を作っていることについてはどう思いますか。

やはり自信にはつながっていきますね。僕はあのプロジェクトとあのプロジェクトをこなしたんだというのが、自分の肥やしにもなっていくので。そういう意味ではそういうビッグプロジェクトと言われるものに――たまたまなのか、選ばれて参加したのかは……選ばれて参加したと思いたいんですけど――参加した上で、それが最終的にビッグプロジェクトと呼ばれるものになったのか、もう最初からビッグプロジェクトなのか。多分、FFとかだと最初からビッグプロジェクトという感じだとは思うんですけど、キングダムハーツは僕の中では最初はそんなにビッグプロジェクトとは思っていなかったんですね。でもフタを開けてみて、世間に出てみればすごいビッグプロジェクトになっていたというのもありますから。

●スクウェアという会社だったのが、スクウェア・エニックスになりましたが。

入社した当時から今も変わらず、気持ちよく仕事はしていますね。仕事をしている上では、合併しても、変わらず同じようにいい仕事ができる環境がキープされている。それはいいことだと思うんです。

●使われているツールは?

モデリングに関しては、Mayaを使用しています。あとはPhotoshop、AfterEffect、それからエフェクトを制作する自社ツールがあって、それを使っています。

●入社前、パソコンのスキルは?

そのときは、筆とかしか使っていなかったので、ほとんどないですね。

●バイトのときは?

この会社は研修生というシステムがあるんですけど、僕は最初、そこに入って、ある程度MayaとかPhotoshopの勉強をしたんですね。AfterEffectとかはエフェクトになってから勉強したんですけど、基本的なことは研修室に入って大体その中で身につけましたね。

●そうすると、パソコン的なスキルというのは無くても?

あればあるに越したことはないけど、なくても大丈夫だと思います。僕も5年とか6年前なので、今はだいぶパソコンが各家庭に普及して、3Dソフトも前より定価が下がって手ごろに手に入ったりとか、そういう専門学校も増えていますので。そういうところで勉強したりとか、スキルがあるに越したことはないんですけど、僕みたいにスキルがない状態で会社に入ってきても、研修室である程度勉強できるので。

●今後やってみたいことやテーマは?

モンスターデザインとか、キャラクターデザイン的なものとかもやりたいですね。あとはできればゲームの根幹にかかわる部分で、「もうちょっとこうしたほうがいいんじゃないの」とか、「ああしたほうがいいんじゃないの」と、口が挟めるぐらいになればいいと思うんですけど、絵的なところで。

●それをちょっとずつやっているとか?

今回のFF10-2のプロジェクトは、コスチュームデザインなど、社内でコンペがあったんですね。
そういうのに自分で描いて出したりとかはしていたんですよ。

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