トップ > 開発者の声 Vol.1<開発者 一覧> > インタビュー09<渡辺 大祐>/ p1
開発者の声
Vol.1 Special Interview/Planner
09 渡辺 大祐/プランナー
仕組みに素材を乗せていく

●プランナーの仕事について教えてください。

デザイナーやプログラマー、それにサウンドの仕事などは、何を作っているのかイメージしやすいと思うんですが、プランナーの仕事は「それ以外」って言うしかないんですよね。プログラマーがゲームを動かす仕組みを作ってくださって、デザイナーが絵素材を作ってくださる。そしてプランナーが仕組みに素材を乗せていく ―― 一般の人には想像しづらいと思いますが、すごく乱暴にまとめてしまうと、そんな仕事かなあと。

制作の初期段階ではネタ出しに集中しますが、実作業が動き始めると「うまく仕組みに乗せるには、素材をどう作ればいいか」といった方針を各方面と相談しながら固めて。それと並行して、担当した各場面について「この場面ではどんなふうに楽しんでもらうか」ってプランを立てて、どんな素材が必要になるかを洗い出し、またまた各方面と相談しつつ発注して。で、仕上がってきた素材を仕組みの上でつなぎあわせてゲームのかたちに仕上げていく、と。

例えばマップ担当として森のマップを仕切るとしたら、デザイナーが描いた1枚のイメージ画をもとに「この森にはどんな道を作ろう? 途中で何か飛び出してきて驚かせるようにしたいから曲がり角を多くしよう」って具体的な地形を構成して、デザイナーに大まかな設計図を渡して。実際に仕上がってきたら、曲がり角が多くても混乱しないように――でも多少は迷ってドキドキしてもらえるように気を配ってカメラワークを考えるとか。

バトル担当として「ここに出てくるボスモンスターは超スゴイ魔法を使う」って決めたら、プログラマーと相談して処理方法を考えたり、デザイナーにお願いしてカッコいいエフェクトを作ってもらったり。旅の途中で会うザコモンスターの強さを決めるときに「この敵はキツイ攻撃をしてくるけど、先に叩けば倒せるようにしておいて、プレイヤーに戦略性を楽しんでもらおう」って考えたとしたら「このとき大体のプレイヤーはレベル15程度まで育てているはずだから、戦士のキャラクターは攻撃力100ぐらい、力の弱い魔法使いは50ぐらい。んじゃモンスターのヒットポイントは、戦士だけが一発で倒せるように80にしよう」とか「このモンスターは弱っちいくせに魔法が効かないイヤなザコにしよう」と、全モンスターの能力値をまとめたExcelのシートをいじって管理したり。最終段階では「この魔法を覚えるのに必要な経験値は300に設定していたけれど、テストプレイしてみたら便利すぎるから500にしよう」といった点まで細かく調整していきます。

イベント担当も、会話シーンのカメラワークをつけたり音楽を流すタイミングを決めるような仕事だけではなくて。例えばマップ上のあるポイントに、主人公が話す相手を配置するとしますね。歩いていってボタンを押して話しかけたら会話が始まるのが普通ですけど、向こうから話しかけてくるシーンだったら、マップのどこかに見えない線を引いておいて、ここを越えたら話しかけてくるってふうにセッティングしたり。素直じゃないプレイヤーが裏道を遠回りして後ろから近づいても大丈夫なように対策するとか、一度話したあとで別の場所に行って、戻ってきたら違うことを話してくれる相手だったら、そこらへんの管理とか。

こんなふうに、ちょっと例を挙げただけでもいろんな仕事がありまして。さっきも言いましたけど、グラフィックとかサウンドとかプログラムとか、何を作っているか想像しやすい仕事があるわけですが、そうやって作られたもろもろが勝手に寄り集まってゲームになるわけではないので、それらをまとめてゲームのかたちにする仕事をするのがプランナーだと思ってます。

●プランナーを細分化した名称としては、どういうものがあるんですか。

社内での一般的な分類は、イベントプランナー・バトルプランナー・マッププランナーですけど、違う分け方をしているチームもありますし、役割を細分化しないで一人がいろいろやる方針のチームもあります。僕が最初に入ったところはイベントとバトルだけで、イベントの人もバトルの人もマップの仕事をやってました。少人数チームのアクションゲームでしたんで、手分けして。

●シナリオプランナーという分類は?

シナリオプランナーというのはちょっとイレギュラーな分類で、まあシナリオライターっぽいむにゃむにゃということで。シナリオ担当も分類上はイベントプランナーの中に入るんですが――こういう分類って、あまり意味がないかもしれません。例えば一口でバトルプランナーとは言っても、各自が全然違う仕事をしてますから。大規模なタイトルだと、ボスを専門に作る人、ザコを専門に作る人、プレイヤーの能力やアイテムを管理する人、戦闘シーンのカメラワークをつける人、そして全体のバランスを調整する人がいるという具合で。何を担当するかによって必要な技術は違ってきます。

●かなり多岐にわたりますね。

「プランナー」って名称は意味が広すぎて実態をつかみにくいかもですね。それに担当した分野を一生やると決まってるわけでもなくて、マップからイベントに移るなんてこともあるので、そうやってキャリアを積んできたプランナーは一人ひとり異なる得意技を身につけますから「プランナーとは何か」というのは、なかなか説明しにくいんです。同僚と話してみても、みんなして頭抱えちゃって(笑)。

●渡辺さんご自身は、どこを?

僕は実はテキストしかできない人間なんですよ。開発ツールや開発言語を操るスキルが全然なくて、ずっと文字だけを書いてるという、スクウェア・エニックス(以下スクエニ)には他にあまりいないタイプで。書くのはシナリオ台本以外にも、例えば町にいる人の「ここはナントカの町です」みたいなセリフや「このアイテムを使うとヒットポイントが200回復します」なんて説明文も。一からすべてを書いているわけではないんですが、関わったタイトルで文字に関わる仕事はまとめて引き受けてます。――元出版なんで。

●前職は編集ライターですか?

そんなところですね。文章の扱いに慣れてますよってことで入ったので。だからFF10、10-2では全テキストの99%には目を通してます。たぶん半分以上はゼロから書いてて、町の人のセリフはほぼ全部でしょうか。以前は各プランナーが分担して書いてたようですが。大規模なタイトルだとイベントプランナーは「君はどこどこの町担当」「君はどこどこ」と地域単位で担当することが多いんですよね。「この町で起こるイベントもミニゲームも全て俺が作る」てな感じで。そうすると担当者は「カメラをこう回すと裏が見えちゃうからヤバイ」とか、その地域に固有の構造を知り尽くして効率よく作れますから。そんなわけで、今まではそれぞれの町にいる人のセリフも全部そこの担当者が書いていたそうですが、そこを僕が。

●トーンが統一できるとか?

ですね。規模が大きくなった分、テキスト専門の人間を置く余裕と必要性が出てきたんじゃないでしょうか。一人に集約しておけばトーンを揃える手間が省けるぞってことで。

●ファイナルファンタジーのようにドラマ性の高いゲームは、専任の脚本家がシナリオを書いているのかなと思っていたんですけれど。

専任のシナリオライターを置くようになったのはここ数年っぽいですね。昔はそれぞれの地域を担当するプランナーが主人公のセリフまで書くことがあったらしくて。最終的に誰かがトリートメントして統一していたようですが。
最近は声を録音する台本が先に必要になるので、少人数で集中して書いてます。FF10とFF10-2は二人ですね。でもゲームって最初にシナリオを全部書いてから作り始めるわけではないんですよ。僕が最初にやったDEWPRISM(デュープリズム)というタイトルがそうだったんですけど、主人公は男の子と女の子で、キャラクターの絵はできていても性格づけはまだで、全8ステージぐらいって大枠だけがあって、その枠内でシナリオを作ってくださいというふうに進んだりとか。

●世界観はあったんでしょう?

あったんですけど、好きにいじっていいよって一任してくださって。DEWPRISM以降のタイトルでも、大まかなプロットに沿って作業が進んでいた状態で途中参加して、ラストをまとめることもありました。一番最初にプロットを作っても、制作中に諸事情で変わっていくものなんですよね。プロットでは会話シーンのあと一気にボスとの戦闘になだれこむ展開になっていても、途中でセーブポイントがないとマズイぞってことで変更したり。先に声を収録した場合は、録り直しが大変なんで変更は少ないんですが、声がない時代には最後の最後までシナリオが変わりまくることもあったようです。そのころは僕、いなかったんですけど。

▲ このページのトップへ 1/2
前ページへ このVolの一覧へ 次ページへ
募集要項
開発部門:クリエイター
プランナー募集
>> 契約社員の募集要項はこちら
開発部門:クリエイター
プランナー募集
>> アルバイトの募集要項はこちら
各種制度について
ネバーギブアップ制度
SQUARE ENIX とは?
部門紹介
社内環境
採用スタンス 採用FAQ 採用サイトマップ 採用お問い合わせ