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開発者の声
Vol.2 Special Interview/Designer
01 松澤 雄生/アートデザイナー
ゲームを楽しむための絵

●今のデザイナーとしてのお仕事の内容を教えていただけますか。

僕はアートデザイナーという職種で、絵を描くのが仕事なんですけど、プランナーというゲームの根幹を考える人がいて、シナリオを考えるシナリオライターがいて、彼らが考えたゲームプランとシナリオをもとに僕らがそれを一度絵にするんです。鉛筆で描いた絵に、コンピュータで着彩したものです。背景もモンスターもキャラクターも、基本的にはこの、アートデザイナーが描いた絵を基準にして、3Dのモデルデザイナーによって実際のゲームの画面になる3Dモデルがつくられていくので、本当にデザインをする仕事ですね。プロジェクトによっては3Dモデラーが直接デザインをする場合もありますが。

●そうすると、普段は鉛筆?

鉛筆ですね。

●デッサンだとか美術系の勉強というのは専門的にはやられていないわけですね。

僕はやっていないですね。ただ美術系の予備校が一般の人に教えている研究科というものを持っていまして、そこにデッサンを習いにしばらく通っていたことがあります。

●もともと絵心は持っていた?

どうでしょう。絵は本当に物心ついたころには息をするように描いていたというか。暇さえあれば描いていたという感じでした。

●今はFFXIIIですね。お仕事は?

今の仕事は背景のデザインなんです。まずシナリオのプロットという大枠が決まります。そこからどういうロケーションがあるかがわかるので、そのロケーションのイメージボードというものを描くんですね。これはイラストに近い形のものです。場面の雰囲気だとか街の雰囲気というものが大ざっぱにつかめる絵を描きます。この絵から、例えばムービーでその街をつくる場合なら、「ヴィジュアルワークス」と呼ばれるムービーを専門的に作る部署から、これとこれとこれはデザイン画を起こしてくれという発注が来るんです。そのデザイン画というのは、一つひとつのものの形状がはっきりわかるように、細かく線で描いたものになります。

●詳細に詰めていく作業が入ってくるわけですね。

ええ、設計図に近いような感覚です。実際のゲームの中に登場するマップの場合は、イメージボードとシナリオをもとにプランナーが中でどういうゲームをするかを考え、マップの大体の形を「モック」と呼ばれる簡単な3Dのモデルで起こすんです。このモックに合わせてアートデザイナーがデザイン画を作成します。壁はどういう模様か、柱はどういう形か、と、ムービーの場合と同様に、デザイン画をおこしていきます。ただこれは基本的な流れで、この順番に作業が行われないこともあります。マップの場合ゲーム機の機能上の制約と、ゲームプランの狭間でデザインを修正していくこともあるので、さらに踏み込んだコミュニケーションも必要です。

●機能やプランによってデザインを修正することもあるんですか?

機能上の制約だと、例えばマップごとに表現できるグラフィックに差があり、ここは大きな模様は使えないとか、ここはポリゴン数がこのぐらいしか使えないから軽いモデルで作りたいといった要望が3Dデザイナーからくるので、擦り合わせをするためにコミュニケーションが必要になります。プランナーとは、ここにこういうパーツがあるとゲームの邪魔になるとか、この高さの段差は昇れないとか、そういった仕様的な部分での擦り合わせが必要です。その前の段階ではもちろんシナリオライターの人とシナリオの意図について話し合ったりとか、例えばここのロケーションは中盤のすごく大事なところで、悲愴感のある戦いに行くんじゃなくて、みんなでワーッと盛り上がった戦いに行くところだから、ちょっと明るめに開放感のあるマップにしたほうがいいんじゃないかな、といった話をします。モンスターやキャラクターについても、背景とは枠組みが違いますが、こうした制約の中でコミュニケーションをとりながらデザインをしているようですね。

●自分で設計していくという作業になっていくわけですね。

プランナーがつくるのは主にゲームの仕組み。シナリオライターは主にセリフとストーリー。そこのシーンなり町なりがどういう見た目かというのは、ほとんどがアートデザイナーに任されています。

●そうすると、叩かれるケースもあるでしょうね。

そうですね。面白くないとか言われる(笑)。

●「違うんだよな、でもどこが違うか言えないけど」と。

どういうゲームをするか、どういうストーリーが展開されるかが決まり、何ができて何ができないかという機能上の制約が大まかに把握できたら、アートディレクターとの話し合いでデザインの方向性を決めます。描いた絵に「違うんだよな」って言われたらアートディレクターと相談ですね(笑)。描いている間にも問題が起こりそうならばプランナー、シナリオライター、3Dモデラー、アートディレクターには相談を持ち掛けに行くことになるので、これらの人とは常にコミュニケーションをとりながら進めていく感じです。そうかと思うと、完全にお任せ、どう描いてくれてもいいよ、みたいなのも中にはあるんですけど。

●入ってすぐFFXIIIなんですか。

ほぼ立ち上げ時のメンバーみたいな感じでしたね。

●ゲームクリエイターもしくはデザイナーにとって必要な条件を。

これは難しいですね。まずゲームが嫌いであってはいけないとは思いますし、ゲーム好きであるにはこしたことはないと思うんですが、反面、ゲーム以外のことにも興味があるといいのではないかと思います。ゲームばかりを見てゲームを作ってしまうと、やはり模倣になってしまう。ほかの引き出しがあるといいと思います。それと、作り手になる以上は、ただゲームをやって楽しむとか、気に入らないところをあげつらねるだけではなくて、正しい正しくないは置いておいて、何故楽しいのかとか、何故つまらないのかというところを自分の中で答えを出しておくことが必要だと思います。それはデザインでもそうで、何故このデザインは格好いいんだ、何故こんなことができるんだということは考えているといいかと。

●要は考えるということでしょうね。一つ一つの意味合いを考えていったり。

やはりゲームデザイナーはゲームを邪魔するデザインをしてしまってはいけないので、ゲームを楽しむためのデザイン、絵を描かなければいけない。そのためにはそういう見方も必要だと思います。

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