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開発者の声
Vol.2 Special Interview/Designer
08 北田 栄二/CGムービー関連に特化したデザイナー
アーティストではなくデザイナー

●北田さんは、何デザイナーということになるんですか。

一応、ヴィジュアルワークスデザイナーという形にはなるんですけど、そのヴィジュアルワークスというところ自体が結構内部的に分業をしていて、形式上ヴィジュアルワークスにいる人たちで、制作をしている人は全員デザイナーという形にはなっているんです。その中でもいろいろ分業されているんですよ。モデリングだったり、テクスチャーだったり、ライティングだったり、アニメーションだったりという部分で、僕はSet and Propsという……

●セット・アンド・プロップス?

はい。主に背景だったりとか飛空船、あとキャラクターの持つ武器だったりとか。キャラクター以外の物のモデリングからテクスチャーまでの作業を一貫しているセクションなんです。まあ作品の世界観をつくっていくセクションですね。

●分業しているようで、かなり幅がありますね。

そうですね。もちろん一つに特化はしているんですけど、ある程度全体ができた上で、僕はこれが得意ですという人たちばかりなので、みんなある程度得意な部分から、得意じゃないけどできるよというグラデーションの幅を持っているんです。やはり苦手なことを苦手な人にやらせると、どうしても作品のクオリティが下がってしまうので、そこは逆に得意な人にやってもらってという感じですね。

●というのは、みんな強い引き出しを持っている。

バラバラなんですよね。ただ得意な部分と苦手な部分をセクションに分けて、それぞれが、人数的にちょっと仕事が詰まってくると、苦手な人も手伝ってくださいと。

●クリエイターにとって必要な条件というのは、どう思われますか。

僕が一番デザイナーとして必要だと思うのは、協調性とコミュニケーション能力、大作とか映画でも何でもそうなんですけど、1人でできるものではないので、何十人、何百人という人とコミュニケーションをとりながら、あっちのセクションはこういうことがやりたいけどこっちはこういうことがやりたいとなると、やはりお互いにこだわりを持って仕事をしているので、衝突することも多々あるんですよ。例えばお互いが、いつまでも強情を張っていると先にも進めないですし、かといってお互いが妥協すると、作品的にいいものにならない。そこでやはり話し合いがしっかりできて、コミュニケーションがお互いにとれる人が、僕は一番仕事として――アーティストとしてではなくデザイナーとして求められる必要な要素だと思うんですよ。アーティストって何か、世の中のスクエニに対するイメージとかでもそうだと思うんですけど、「好きなものをつくれていいですね」とか、そういう声をいろいろ聞くんですけど、実際問題自分たちは好きなことというよりは、与えられたものに対して自分たちの味を出していくという形なんですよ。だから僕の中でデザイナーというのは(世間一般とは)ちょっと違うニュアンスがあるんですよね。

●基本的には時間があって予算があってクオリティを、その枠の中で。

そうです。そういう部分で、デザイナーというのはそういう決められた枠組みの中で最大限のものをつくるということなので、僕はもちろんセンスだったり独創性というのは大事だと思います。そういった中で仕事をしていくんだったら、協調性とコミュニケーション能力、いくら仕事ができる人でもやはりわがままだったり、僕はこの仕事しかやりませんとか、僕はこれをやりたくないからやりませんということだと、ほかの人に迷惑がかかったりとか、スケジュールどおりに進まなかったりということがあるので。僕が一番大事かなと思うのは、そういった人間性的なものではないかと。

●必要なPCのスキルは?

スキルというのがどの辺までのものを指すのかは難しいと思うんですが、僕は単純に全くパソコンのキーボードすら触ったことがないという人はちょっと難しいと思うんです。

●無理でしょう。

ただ、例えば「僕はPhotoshopに触ったことがないんです」とか「3Dのツールが触れません」というのは、僕は全然OKだと思うんですよ。単純に言えば、うちの会社って周りにやはりすごい人がいっぱいいるので、その人たちからいくらでも吸収できるし、研修制度もあってその会社で覚えることができるので、PCのツールという部分に関しては僕は別に触れなくても全然大丈夫だと思います。むしろそれよりも、僕自身が芸術的な大学を出ているわけではないので、一芸的に絵が描けますとかデッサンが描けますとか、建築のデザインをやっていましたとか、でもCGのツールは触れてませんという人のほうが、僕はいいんじゃないかなと。僕と全く反対なんですけどね(笑)。僕はどっちかというとツールから入っていったほうなんですけど。そういう人のほうが、感性的な部分がやっぱりしっかりしているかなっと。

●仕事を進める上で一番苦労することって何ですか。

僕がきついなと思うのは、リテイクとクオリティを突き詰める作業が。特に終盤になってくればくるほどキツイ部分ではあるんですけど、醍醐味でもあるんです。楽しさ半分、キツさ半分という感じですね(笑)。

●それは終わったら楽しかったと言えるのかもしれないですけど、やっているときは・・・

そうですね。本当にやっているときはつらいことのほうが多いですね。ディレクターなりリーダーなりの感性と自分の感性とが違うときってあると思うんですけど、そこでどっちを主にするかというと、やはりリーダーなりディレクターが主なわけです。そこでさっきの話じゃないですけど、わがままを言ってると、やはり全体的に作業効率にしても落ちてくるので、やはり従わないといけないところは従わないといけない。その辺がやはり難しいところではありますけど。もちろん、そこでディレクターとかリーダーが思う以上のものを見せられれば「あっ、こっちのほうがいいやん!」ということになるとは思うんです。でも、根本的な感性の部分で違うとしたら、やはり主と従というのははっきりさせておかないといけない。そこの辺で若い子――僕もそんなに年をとっているわけじゃないんですけど、最近の若い人たちは「僕はこれがやりたい」「これじゃないと嫌だ」みたいなところがありますね。まあ、そういうこだわりみたいな部分もあっていいとは思うんですけどね。

●今の職種に就けてよかったことを教えていただけますか。

やはり自分自身が映像制作だったりゲームというのが好きなので、単純に大きい制作にかかわられているというのがひとつ。あと、自分が携わった作品が世界中で例えば、アメリカだったりヨーロッパだったりで楽しんでもらえていること。普通、日本の映画とかだと見られる人って、多くても何十万人とかだと思うんですけど、「FF」だったら世界じゅうで何百万人ですから。自分のつくった映像を見て、何かしら「ああ、これ出来が悪いな」とか、「おお、これすげえ」というふうに思ってもらえているというのは、今の仕事で単純にいいなと思う。世界中の人に発信できる仕事ってなかなかないんで。

●なかなかというより、ないですよ。

ないですね。そうですね。最近だと日本の輸出品の中にも、アニメだったりゲームというのが数パーセントを占めるぐらいまでになってきているので、日本の十分誇れる産業だと思いますけどね。

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