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開発者の声
Vol.2 Special Interview/Planner
09 塩川 洋介/バトルプランナー/リアルタイムプランナー
考えるのは2割、実現に動くのが8割

●入社されてから塩川さんがやっているプランナーとはどんな仕事ですか。

会社全般としての話をすれば、うちは分業がかなり進んでいて、要は「○○プランナー」というふうに、いろんな「○○」がついていて、特に大きいプロジェクトになってくるとスペシャリストが求められますね。マップをつくることだけに特化したプランナーとか。自分はバトルを中心に軸足を置いてはいるんですが、基本的には修業時代と同じで何でも屋さん的な感じなんです。「キングダム ハーツI」のときはバトルをメインにやっていて、「II」になってからはバトルもやりつつ必殺技をつくってみたりとか、ゲームの流れを組み立てたりとか、バトルの中の演出を組み立てたりしていて。今はまた全然違う、もう少しイベント寄りのことをやっていたりとか、もっとシステマチックなことをやっていたりとかいう感じなんですね。基本的には自分だけであれこれ企画できるようになるのが理想。「FF」的に言えば……

●ジョブチェンジ。

ええ、ジョブチェンジですね。
賢者を目指しているみたいな(笑)。赤魔導士ではなくて。

●なるほど。もっとかみくだいて、全くゲーム制作の現場を知らない人にプランナーを説明するとしたら?

一つは、かじ取り、潤滑油的な係ですかね。それはある人に仕事をお願いしたりとか、とにかく話をして進めていく。プロジェクトの推進力になる係ですね。ものをつくるのはそれぞれのプログラマーであったりデザイナーであったり、スペシャリストがいると思うんですが、そのばらばらの点を結びつけて前に進ませていく係という感じですかね。

●そういう意味ではプロジェクトを進行させるための、プロデューサー的な仕事になってくるんですかね。

その人たちはどちらかというと上から引っ張っていく係だと思うんですけど、プランナーはもっと下から押していくとか、真ん中でちょっとずつ引っ張っていく感じですかね。

●例えばバトルプランナーの具体的な仕事というのはどういうことですか。

バトルプランナーは、それもプロジェクトとかタイトルによって全然まちまちですけれど、実際にコントローラーを動かして、何か動くと思うんですが、そこを面白くする係みたいな感じですね。丸ボタン1個押してパンチしますとか、十字スティックを動かしてキャラクターがちょっと歩きますとか、そこを面白くする担当みたいな感じですかね。

●バトルの演出だとか、システムだとかを考えるプランニングではないと。

まず押して動くのが楽しい、移動して楽しいというのが大前提にあって、それを実現するために「○○システム」というものが必要だったら考えるし、演出が要るのであれば考えるし、という感じですかね。そっちありきというよりは、やはりさわってどう楽しいかというところをどうやってつくっていくかという方法でしかないですから。

●プランナーの仕事の説明って難しいですよね。

それで何かアイデアを出せばいいみたいな誤解になるんですかね。自分の中では制作進行的なイメージが一番強いですね。とにかく人とたくさん話をして、お願いをしたり、何かトラブルを解消したりということが仕事のメインなので。

●例えばシナリオを書くプランナーもいるんですよね。

それはもう担当ですかね。マップだけつくる人もいれば、テキストだけ書く人もいれば、演出だけつくる人もいれば、そこでバトルをやる人もいればという感じで、プランナーの中にも幾つも業務があるので。一括りにするとそれらを実現していく人。考え出す人ではなくて、どちらかというと実現していく人かなという感じですかね。イベントを担当するにしても、演出を考えるところよりは、考えてどう実現するかという、そちらの比重が8割ぐらいで考えるのは2割ぐらいかなと。

●プランナーにとって必要な条件とはどんなものだと思いますか。

自分的な主観ですけれど、プランナーにとって必要なのは、右脳と左脳が両方使えないといけないかなと思うんですよ。イメージをつかさどる部分と論理をつかさどる部分の両方があると思いますが、例えばそれはプランナーだけじゃなくても、ある程度技法とかノウハウというのは割と理論の組み合わせでどうにかなる部分がすごくあると思います。そこは知識なり経験なりでどんどん蓄積していくものも必要だし、例えばそれがすごくいっぱいあったとしても、今度イメージのほうが出てこないと、単純に知識はあるから完成はするけど、面白くない。イメージはすごくあっても、知識とか論理立てて組み立てる能力がないから実現できない。人にも伝えられないし、人を引っ張っていってそれをつくり上げることもできないしというのがあるので、右脳も左脳もしっかり使える人じゃないとなかなかやっていけないと思います。

●それは鍛えることができる部分ですか。

鍛えることは結構できますかね。左脳を鍛えるには、まずはとにかくいっぱいゲームをやるということです。ゲームだけじゃないんですが、とにかく分析をしてものを考えろということをよく自分のまわりの若いスタッフに言っているんです。例えばコンビニで新商品のペットボトルが並びましたと。それはだれかが何らかの意図を持ってそういうデザイン、そういうコンセプトで打ち立てて、商品として市場に打ち出しているんです。何故それを今、このタイミングでリリースしているのかということを、じゃあそのペットボトル1本とっても考え尽くしてみろというぐらい、ある物事に対してどこまで考える力があるかということが、左脳を鍛える上でのポイントですかね。それを日々やり続ければ、きっと大丈夫だと思います。それはゲームがどうとかという話ではないかなと。

●「何故」の部分から始まって考えろということですね。

そうです。「何故」を追求できるかどうかというところに左脳のトレーニング方法があるかなと。最初は意識してやっていますけれど、だんだん習慣になっていって、気づいたら考えていて、という感じになるとだいぶ頭が回ってきているのかなと思いますね。

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