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開発者の声
Vol.2 Special Interview/Planner
09 塩川 洋介/バトルプランナー/リアルタイムプランナー
「こだわり」という言葉は好きじゃない

●塩川さんのこれからの目標・テーマは何でしょうか。

目の前の目標で言えば、今、携わっている大切なプロジェクトがありまして。ゼロからつくっていっているものですけど、やはりそれを世の中の人に是が非でもきちんと届けなきゃと思いますね。携わったスタッフが何十人といますので、やはり彼らの努力に報われるものに仕上げなきゃというところが一つの目標というか、責任というか、義務としてすごく感じています。今は何よりそれしかないです。あとはもう少し先を言えば、自分は新しいことをやるのがとにかく好きなんです。「キングダム ハーツ」をI、IIとやってきた中でも割と違う作業、違う仕事をどんどんやってきて。今、携わっているプロジェクトもやはり違うことをやっていて。

●では、この人材募集のサイトを見ている人に向けて。まだやりたいことを探している人、スクウェア・エニックス(以下スクエニ)に入りたいと思っている人もいるでしょうし、そういう人に向けてクリエイターとして何かメッセージを。

多分、ゲームをつくるということがわかっている方も、何となく想像ができる方も、わかっていない方もいろいろいると思うんですけど、基本的には楽な仕事ではないということだけはわかってほしいかなと思います。やはりさっきの頭を使うということもそうですし、とにかく努力がすごく必要な仕事だと思うので、ちょっとゲームが好きだからとか、ちょっと何かやってみたいなと思うからとかという気持ちで門を叩くとろくなことにはならないと思うところはあります。やはりその覚悟がどれだけあるかということを一つ考えてほしいと思いますし、逆に自分で自由自在に何かをつくり出していけるということにやりがいもすごくあると思うし。あとは共同作業、チーム制作という部分があるので、やはり自分1人ではなし得ないこと。各方面のプロフェッショナルが集まっているから、そういう人たちに触れるのが刺激になるし、そういう人たちの力を借りて何かものをつくっていくのはすごく楽しいことなんですよね。そこが魅力ではあるので、アメとムチじゃないですけど、ちょっと好きだからやってみようというのだとかなりの覚悟が要るとは思いますね。

●本当に経験がないという人でも、入ったらできるんですか。

自分の周りでも、研修生みたいな形で「大学在学中です」とか「大卒です」という人をたまに面倒見たりとか、自分のプロジェクトにもいたりしますが、経験とかゲームが好きだとか、知識だとかいうことは、あまり重要ではないとよく思うんです。何が重要かというと柔軟性と積極性で、一番だめなのは凝り固まった自分がある人だと思います。例えば「こだわり」という言葉は自分はあまり好きじゃなくて。

●ああ、それは珍しいですね。みんなこだわってつくってるのかと思ってました。

いいこだわりと悪いこだわりというのがあると思って。例えば「ゲームとはこういうものだ」とか、「こういうものが絶対につくりたいんだ」というこだわりがはまれば、当然プラスになると思うんですが、はまらないと本当にマイナスにしかならないかなと思っていて。こだわりがなければ、多分プラスにもマイナスにもならないから、害にはならないんですよ。

●なるほど、面白いですね。

若い人で無用なこだわりがある人はあまり伸びていかないかなと。例えば新卒というか、大学生で来て、ゲームはこういうものだ、私はこういうものをつくりたいんだとか、視野がとにかく狭いと……。基本的に自分はそういうことは言わずに、ペットボトルを見て考えろとか…脳トレと呼んでいるんですが(笑)、そういうゲームと関係ないところから頭のトレーニングを始めていくので。そういうところが多分、理解できない。「私の思っていたゲームとは○○というキャラクターが出てきて、こういう闘いなんだ」とか思っていたところから、そういう話じゃなくてもっと頭の体操をしっかりしてという部分になっていくので、とにかくその先入観、こだわりというのがこの仕事、特にプランナーをやっていく上ではマイナスになるかなと思うんで、逆に何でも吸収してやろうと。どの人が言っていることも一理あるんだろうなと思って、「ああ、そういう考え方もあるんだ」とどんどん吸収していける人は伸びていくし、自分はそういう人と仕事がしたいなと思って、なるべく自分のチームにはそういう人を集めるようにしています。

●自分の枠を決めてしまってはいけない、と。

枠、キャパシティですかね。本当にプライドを持ってこういうことをやりたいとか、そういうのは凄くいいと思うんですが、よくいるのは、例えばそのアイデアが面白かったとしても、この作品の方向性には合っていないとか、今はそれを言い出す時期じゃないという別の角度からものが見られないと、そこにこだわってしまうみたいな。そういう意味で、今、ここで求められているのは何なんだとか、今、世の中が求めているものは何なんだということを、どれだけ自分の中に吸い込んでいって、アウトプットできるかが一番ポイントになるかなと思っています。自分のチームは経験の少ない人と仕事をすることが多いんですが、キャリア、ノウハウとしては確かに足りない人も多いんですが、先入観がないから、ゲームづくりはそうじゃないんだということをゼロから教え込めるのでみんな凄いを力を発揮してくれています。

●なるほどね。間違えたこだわりじゃなくて、積極性と柔軟性を持った人間のほうが伸び率が大きいんでしょうね。

そうですね。

●最後になりますが、スクエニという会社のクリエイターにとっての長所・短所を。言える範囲でいいですよ(笑)。

長所は、スペシャリストが揃っていることですかね。1人でできないことを実現するためのいろいろなスペシャリストが広く揃っているので、こういうことをやりたいと思ったらこういう人がいるし、またこうだったらこういう人がいる。そういうところで、自分ではできないこととか自分にはない価値観を吸収していったり、実現していったりする土壌があるのかなと思っています。

●悪いところは。

フットワークが重いかなとは思います。やはり大きな会社だからというのがあるかもしれませんけど、ゲームの世界でも3カ月でつくって大ヒットした作品などもありますし、あるいは普通の企業でも1個のプロジェクトの案件のスパンが2カ月ですとか、全然違うと思うんですよね。どんどん時流を見て新しいものを取り入れて、2カ月後にはそれを世の中に提案ということもできると思います。それはパッケージゲームという媒体ではむずかしいのかもしれないけれど、やはりそこを今、言い訳していてもしようがないと思うんですね。今流行しているからと取り入れたものを世の中に提案できるのが、1年後、2年後になってしまう。それはスクエニだからではないのかもしれないけれど、ただ例えば自分はもともと小さい会社で働いていたので、そこではやはり「じゃあ、プレゼン資料をつくれ」とか「じゃあ、今度ここに営業に行くぞ」とかでバンバン新しい企画書を書けだ何だとかいうのをさんざんやっていた。そのときの時間の流れから比べるとえらい違うなと。

●じれったいんでしょうね。

そうですね。1個のものをしっかりつくれるというプラスの面も当然あるんですが、根本的にせっかちなんですかね。

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