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開発者の声
Vol.2 Special Interview/Planner
11 渡辺 卓/フィールドプランナー
スタート地点よりゴール間際がおもしろい

●渡辺さんは入る前にゲーム会社のプランナーの仕事というのはわかっていたんですか。

いや、全然わかってなかったですね。

●そういう人に向けてプランナーのお仕事を説明していただけますか?

誤解を与えかねないですけど、雑用に近いところがあるかなと思うんです。

●誤解します(笑)。

そうですよね(笑)。簡単に言ってしまえば、ゲームという商品にするために何でもやるのがプランナーの仕事だと思います。ゲームに足りない部分は全部プランナーが最後に補わなければいけないと思っています。スタートとゴールはプランナーが持つのかなというイメージがありますね。こういうゲームにしようという企画立案のスタート部分はプランナー主導でやりますが、そこからの素材作成やシステムの整備はプログラマやデザイナーが主役です。それらが全て整って、最後にゲームに組み上げる部分でまたプランナーに戻ってくるというイメージです。

●「ゲームのプランナーというのは、シナリオを書かないの?」とか「台本をつくるんじゃないの?」と思っている人がほとんどだと思うんですよ。それとは違うんですか。

ゲームは、ほかのメディアと違ってちょっと複雑な特性を持っています。インタラクティブ性というか、ユーザーがかかわってくる部分が非常に多いので、自分たちの自己完結のものを出すわけにはいかないんですよ。やっぱりホンを書いて終わりではなくて、そこにユーザーのプレーインがあって初めてゲームになってきます。どうしてもいろいろな要素がかかわってくるので、「本を書いている仕事です」という感じでは言えないんですよね。最初のスタート地点ではこういった設定で、こういったストーリーで、こういったバトルがあって、こういった面白さを提供しようというのがあるんですが、それは本当にスタート地点にすぎなくて、素材やシステムが整ってきたところで初めていろいろな制約が見えてきて。その中で、じゃあ最初から考えていた面白さをユーザーにどうやって提供しようかというときに、プランナーの力量が問われてくるのかなと。最初に自分たちが思い描いていた面白さとは何だろうと。ユーザーにどうやってその面白さを届けられるだろうかというところで、僕らは仕事の真価が問われていると思います。一概に「ストーリーを考えています」とか、簡単なまとめ方ができないというのが、非常に……

●ということは、マネジメントといったほうが近い?

そうかもしれないですね。ゲーム作りの全体を見ているという意味ではそうだと思います。ただ、僕は今比較的小さなチームにいるので、全体に関わることができるんですけど、大きなチームになってくると分業が一番効率のいいやり方になってきます。うちの会社はRPGだと大きくバトル/イベント/フィールドという分け方をしているんですけど、それぞれの分野で専門特化してスペシャリストとしてやっているプランナーもかなりいると思います。プランナーという職種で一括りにはされていますけど、みんなそれぞれスキルが違うという感じで、イベントプランナーとバトルプランナーは風貌で大体わかってしまうぐらい、全然違う人なんです。バトルプランナーといったらプログラマーに近いイメージがあって、すごくロジカルに物事を考えていて、世界設定というよりも数値でゲームのやりとりをとらえている人のほうが多いので。イベントプランナーというと、セリフ回しやカメラワークの部分でどうやってカッコよく見せるかとか。

●ディレクター的な側面は?

そういった面もあると思いますね。一人のディレクターが全部を見ることはできないです。プレー時間が100時間とかのゲームもありますからすべての制作物を見るということは不可能です。だから、各担当者がそれぞれディレクション的な役割をして、大事な部分のチェックだけを任せるという感じになると思うんですよね。個々人がゲームのコンセプトをしっかりと理解し、このゲームの面白さを伝えるにはこうしなきゃだめだという意識を持って臨まないとつくれないと思います。

●プランナーをやっていて一番面白い部分はどこですか。

一番面白いところで言えば、僕の場合は今なんですよ。今、ちょうど開発の末期なんですが、最初に想定していたものが、素材が集まってきて、それがシステムに乗っかって繋がり始めたときに、ゲームとしてかえってくるわけです。そのときに自分がユーザー視点になって「あっ、面白いのができた」となったときが一番楽しい。そこから、「こうしたらもっと面白くなる」となった時期が一番面白いんですよね。面白いかどうかをもんもんと悩むスタート地点より面白さがはっきりと見えるゴール間際のほうが面白いと感じています。

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